MT4/MT5には役立つラインツールが多くありますが、フィボナッチ・リトレースメントはフィボナッチ比率を応用したラインツールです。
フィボナッチ・リトレースメントは、エントリーポイントを判断するために有効なツールなので覚えておきましょう。
今回はフィボナッチ・リトレースメントの仕組みをはじめ、ラインの引き方、見方、消し方を紹介していきます。
フィボナッチ・リトレースメントとは?
フィボナッチ・リトレースメントとは、レート価格の上昇や下降に対して、どれくらいの押し目や戻り幅があるのか判断するための指標です。
フィボナッチ・リトレースメントの名前の由来は“フィボナッチ数列”を使う分析手法によりますが、フィボナッチ数列は人間が心理的に心地いいと感じる数字と言われています。
フィボナッチ・リトレースメントで使用されるフィボナッチ比率は、「0.0%、23.6%、38.2%、50.0%、61.8%、100.0%」です。フィボナッチ比率に基づいた6つのラインを基に、エントリーポイントを探っていきます。
フィボナッチ・リトレースメントの引き方
フィボナッチ・リトレースメントの引き方としては、まず線を引いて「何%戻すか」をチェックします。明確な理由はありませんが、フィボナッチの法則から「そろそろ下落or上昇しそうなタイミング」とフィボナッチ比率が一致する場合が多いです。
MT4/MT5でフィボナッチ・リトレースメントを表示させる手順は次の通りです。
1.ツールバーの「フィボナッチ・リトレースメントを作成」から作成する
他にも「挿入」タブの「フィボナッチ→リトレースメント」をクリックからでも作成する事ができます。
フィボナッチ・リトレースメントは複数のラインを用いて分析するので、ラインの色や形状は見やすいように変更しておきましょう。
色や形状の変更
色や形状の変更は、「フィボナッチ・リトレースメントのライン上で右クリック→該当するラインにカーソルを合わせて編集→フィボナッチレベル」で行うことができます。
2. フィボナッチ・リトレースメントをチャート上に引く
ここから実際に引いていくわけですが、フィボナッチ・リトレースメントの引き方は上昇トレンドと下降トレンドで引き方が2通りあります。
上昇トレンドでのフィボナッチ・リトレースメントの引き方
レートが上方向に向かっている場合(上昇トレンド)は、分かりやすい安値を起点に高値を終点にしてラインを引きます。
下降トレンドでのフィボナッチ・リトレースメントの引き方
レートが下方向に向かっている場合(下降トレンド)は、分かりやすい高値を起点に安値を終点にしてラインを引きます。
起点が100%、終点が0%となります。
またフィボナッチ・リトレースメントを引いていると、ヒゲ・実体のどこを結んだらいいのか引き方で迷いが生じるかもしれません。
ヒゲが起点になる場合もあれば、実体が起点になる場合もあるので、どちらを起点にするかについてあまり気にする必要はないです。
長すぎるヒゲなら実体を起点にしてもいいですし、ヒゲが短ければヒゲを起点にするのもよいでしょう。慣れるまではどちらのパターンでも引いてみて、分析しやすい方を選ぶと失敗も少なくなります。
フィボナッチ・リトレースメントの見方
フィボナッチ・リトレースメントでは、「23.6%」、「38.2%」、「50.0%」、「61.8%」のラインに注目して押し目買いや戻り売りのタイミングを見ていきます。
上昇トレンドでのフィボナッチ・リトレースメントの見方
強い上昇トレンドが発生しているときは、「38.2%」を押し目とする見方をします。この場合は画像のように、反転した「38.2%」で買い注文を入れます。
またトレンドの勢いが弱い場合は、「61.8%」を押し目とする見方をします。
下降トレンドについても同じような見方ができます。
下降トレンドのフィボナッチ・リトレースメントの引き方
強い下降トレンドが発生しているときは、「38.2%」を戻りとする見方をしますこの場合は画像のように、反転した「38.2%」で売り注文を入れます。
またトレンドの勢いが弱い場合は、「61.8%」を戻りとする見方をします。
このようにフィボナッチ比率を使って、エントリーのタイミングを簡単に見つけられるのがフィボナッチ・リトレースメントのメリットです。
ただし、フィボナッチ・リトレースメントは、高値と安値をもとに計算するので、チャート内である程度明確な天井や底を見つけなければなりません。
フィボナッチ・リトレースメントの消し方
表示しているフィボナッチ・リトレースメントは、消し方はいくつかあります。好みのやり方を覚えておきましょう。
方法1.「チャート上で右クリック→表示中のライン等→Fiboにチェックを入れる→削除」で削除する
方法2. フィボナッチ・リトレースメントの赤い点線上をダブルクリックで選択して、右クリックから削除画面を表示させて削除する
複数のラインを用いている場合にフィボナッチ・リトレースメントのみ消したい場合は「削除」、すべてのラインを消したい場合は「すべての矢印類を削除」を選んでください。
方法3. フィボナッチ・リトレースメントの赤い点線上をダブルクリックで選択した状態で「Delete」キーで削除する。
まとめ
MT4でフィボナッチ・リトレースメントを引く方法を紹介してきましたが、最初からMT4やMT5に標準搭載されているラインツールなので面倒な設定は必要ありません。
フィボナッチ・リトレースメントは、トレンドが発生しているときに押し目買いや戻り売りのタイミング分析に活用できるラインツールです。
また、エントリーポイントだけでなく、トレンドの強弱を測る目安にもなります。長期的な価格予想に強いツールなので、短期的な価格予想に強みを持つ他のインジケーターと併用すると分析精度はより高まります。
フィボナッチ比率はFXのテクニカル分析で多く用いられているので、フィボナッチ比率を覚えるためにもフィボナッチ・リトレースメントを活用しましょう。