ADXやDMIはトレンドの有無や強弱を測る時に大きな力を発揮するテクニカル指標です。
ADXは上手く使う事ができればテクニカル指標でもっとも効果的な指標であるとの声もあり、近年でかなり人気が高まってきています。
一見するとMT4やMT5で見つからないため追加する必要があるのかと思いきや、実はADXは「Average Directional Movement Index」という名前で標準搭載されています。
本記事では、DMI・ADXとはなにか?ADXのMT4/MT5での表示方法、おすすめの設定値や使い方を詳しく紹介しています。
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DMI・ADXとは?違いは?
まず「DMI」と「ADX」なぜ二つの名前で呼ばれる事があるのかを解説します。
DMIとはDirectional Movement Indexの略で方向性指数と呼ばれるものです。これはある一定期間の値動きの方向性を数値として示しているためです。
DMIは以下の3つの線で構成されています。
DMIの3つのライン
- +DI → 上昇力の強さを表すライン
- -DI → 下降力の強さを表すライン
- ADX → トレンドの有無や強さを表すライン
つまりADXとは「DMIの中の1つの線」です。
ADXという名称はAverage Directional Movement Indexの略で平均方向性指数という意味になります。
最近はこのADX単独のテクニカル指標も増えてきたため、トレンドの有無や強弱を測るテクニカル指標として「ADX」、「DMI」2つの名前をよく見かけるようになったというわけです。
そのため現在はADXとDMIは同じ意味で使われることも増えてきました。
MT4/MT5でのADX(DMI)の表示方法
MT4やMT5で「Average Directional Movement Index」という名のインジケーターを表示します。
このインジケーターからADXを含むDMIの3つのラインを確認する事ができるので、新しくダウンロードする必要などはありません。
1. ナビゲーターウィンドウから「トレンド」の「Average Directional Movement Index」をダブルクリックします。
2. ADXの設定ウィンドウが開きます。今回はデフォルトのままで「OK」をクリックします。
ADX表示例
ADXの設定
パラメータ設定
「パラメータ設定」タブからはADXの設定ができます。
期間
ADXを算出するための期間を設定します。
デフォルトの14日間がおすすめですが、より反応しやすい9日間を利用する人もいます。
適用価格
ADXをどの価格で算出するかを設定します。
特別な使い方以外はデフォルトのClose(終値)ままでいいでしょう。
- Close(終値)
- Open(始値)
- High(高値)
- Low(安値)
- Median Price(HL/2) (高値+安値)/2
- Typical Price(HLC/3) (高値+安値+終値)/3
- Weighted Close(HLCC/4) (高値+安値+終値+終値)/4
スタイル
ADXの線の色や種類、太さなどを設定できます。
他の線よりも目立つように設定したりできます。
下限設定・上限設定
ADXの範囲を設定できます。デフォルトでは設定しない状態です。
下限・上限を決めたい場合はチェックを入れて数値を入力します。
色の設定
「色の設定」タブからは「+DI」、「-DI」の線の色や種類、太さなどをそれぞれ設定できます。
レベル表示
「レベル表示」タブからはサブウィンドウに目安となるラインを引くことができます。
右側の「追加」をクリックして「レベル設定」に数値を入力してOKをクリックすると反映されます。
「25」あたりを超えてくるとトレンドが強まっていると言えるので目安として設定しておくと便利です。
最後に「表示選択」タブですが、これはインジケーターを表示させたい時間足を選択する事ができます。
デフォルトは全ての時間足で表示にチェックが入っています。
おすすめのADX(DMI)の設定値は?
ADX(DMI)のおすすめの設定値ですが、基本はデフォルトで大丈夫です。
ただ、レベル表示に強いトレンドの目安である「25%」のラインを追加しておくとわかりやすくなります。
ADX(DMI)のおすすめ設定値
- 期間 → デフォルトの14がおすすめ(より素早く反応して欲しいのなら9)
- スタイル → 自分の見やすい色や太さに設定
- レベル表示 → 強いトレンドの目安である「25%」を追加しておくとわかりやすい(さらにトレンド上限の目安「60%」を追加してもよい)
- その他 → 特別な使い方以外はデフォルトでOK
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ADX(DMI)の見方と使い方
実際にADX(DMI)の見方と使い方を解説します。
DMIで使われる3つのラインの役割を再度おさらいすると…
DMIの3つのラインの役割
- +DI・・・上昇力の強さを表すライン
- -DI・・・下降力の強さを表すライン
- ADX・・・トレンドの有無や強さを表すライン
となります。この3つのラインを使ってトレンドの強さや売買タイミングを見つけます。
ADXでトレンドの強さや発生
+DIと-DIの位置からトレンドを判断する
上昇力強さを表す「+DI」と下降力を表す「-DI」の二つの位置関係から現在のトレンドが判断できます。
- 「+DI」が優位なら上昇基調
- 「-DI」が優位なら下落基調
- 「+DI」と「-DI」の位置が頻繁に入れ替わっている場合はもみ合い相場
+DIと-DIが交差する地点は売買ポイントと見ることができる
「+DI」と「-DI」の交差する地点は売買シグナルのポイントと見ることができます。
ただし後述しますがこれだけを基準に取引するのはダマシが多く危険です。
- 「+DI」が「-DI」を上回るタイミングが買いサイン
- 「-DI」が「+DI」を上回るタイミングが売りサイン
ADXでトレンドの有無や強弱がわかる
ADXはトレンドの有無や強さを表すラインです。
ADXは上昇トレンドでも下降トレンドでもトレンドが発生しているならば上昇し弱まれば下降します。どちらのトレンドが発生しているのかは「+DI」と「-DI」のどちらが優位なのかで判断できます。
ADXが「25%」を超えると強いトレンドの発生を示唆しています。
デフォルトではレベル設定がされていないので、「25%」のラインを設定しておくとトレンドの発生と終了タイミングがわかりやすくなります。
またトレンドは大体「60%」くらいが上限になるので、「50%~60%」に近づいてくるとトレンドの終焉が近いと見ることもできます。
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DMI・ADXを使用する際の注意点
DMIを使用する際には注意しておかなければいけないことがあります。
それは、レンジ相場では激しく「+DI」と「-DI」が交差するため、上昇基調や下落基調が一時的なものなのかそうでないのかの判断がつかないということです。
先程DMIの使い方で「+DI」と「-DI」の交差する箇所から売買ポイントを探れることは解説しましたが、これだけではどうしてもダマシに遭うことが避けられません。
そのため以下の使い方をする必要があります。
【重要】+DIと-DIとADXの3つから総合的に判断する
売買ポイントを探るために使用するのは「+DI」と「-DI」ですが、併せてトレンドが発生しつつあるのかも判断する必要があります。そのため「ADX」にも注目して3つで総合的に判断する必要があります。
+DIと-DIとADXの3つから総合的に判断する
- 「+DI」が「-DI」を上回って「ADX」が上昇しているなら買いサイン
- 「-DI」が「+DI」を上回って「ADX」が上昇しているなら売りサイン
上図では「+DI」が「-DI」を上回って「ADX」が上昇したタイミングが買いサインです。
その後「ADX」が下降してトレンドが終わりつつあるのを確認し、「+DI」と「-DI」との位置関係が逆転したタイミングで決済という流れです。
このように3つのラインからトレンドの発生や強弱を判断しながらトレードをするとダマシに遭いにくくなります。
「RSI」や「MACD」や「移動平均線」と組み合わせて使用する
「DMI」はRSIやパラボリックなど数々の有名テクニカル指標を生み出した J.W.ワイルダーが生み出したトレンド系の指標です。(オシレーター系指標に分類される場合もあります)
トレンド系指標はレンジ相場に弱い傾向があり、オシレーター系指標はトレンド相場弱い傾向にあります。
オシレーター指標の弱点であるトレンド相場での弱点を補うために開発されたものが「DMI」になります。
そのため、オシレーター系指標である「RSI」や、トレンド系指標とオシレーター系指標2つの要素を併せ持つ「MACD」などと組み合わせることで弱点を補い合う事ができダマシを回避しやすくなります。
また、「移動平均線」との組み合わせも有効です。短・中・長の3本線のゴールデンクロスやデッドクロスなどの売買サインとDMIの売買サインが一致しているなら信頼性も上がります。
まとめ
DMI・ADXは近年でも特に注目されているテクニカル指標です。
実際の相場では上昇トレンドなのか下降トレンドなのか、流れが目まぐるしく変化します。
そのためトレンドを有無や強弱を視覚的にわかりやすく判断する事ができるDMI・ADXは非常に有効なトレンド指標と言えます。
これは少々特殊な例ですが、中にはチャートを見ないでDMI・ADXだけを見てトレードしているという方もいます。
わかりやすい指標だけに他のインジケータ―と組み合わせやすく、自分なりのトレード手法を構築する事ができるためおすすめのテクニカル指標です。是非活用してみて下さいね。