MACD(マックディー)という言葉を聞いた事はありませんか?
MACDは「Moving Average Convergence and Divergence」の略で、直訳すると移動平均収束拡散法という意味になります。その名の通り移動平均線を用いたテクニカル指標です。
具体的には、短期の移動平均線と中長期の移動平均線、そして「シグナル」と呼ばれる移動平均線を組み合わせて、売買ポイントを判断します。
オシレーター系とトレンド系の2つの要素を併せ持ち、多くのトレーダーに利用されています。
本記事では、MACDの表示方法や設定すべき数値、また使い方や見方を解説しています。
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MACDの表示方法
MACDのインジケーターはMT4/MT5に標準搭載されています。新しくダウンロードする必要はありません。
1. ナビゲーターウィンドウから「オシレーター」の「MACD」をダブルクリックします。
2. MACDの設定ウィンドウが開きます。今回はデフォルトのままで「OK」をクリックします。
(※設定では「短期EMA」、「長期EMA」、「シグナル」などの期間を変更できます。)
設定値は、世界中の多くの人が参考にしているデフォルトのパラメーターが一番参考にしやすいです。
MACDのおすすめ設定値(デフォルト)
「短期EMA:12 長期EMA26 シグナル:9」
EMAとは?
設定に出てくる短期EMAとか長期EMAの「EMA」って何?と思う方もいらっしゃると思います。
EMAとは指数(平滑)移動平均線のことです。
EMAは日本でよく使われているSMA(単純移動平均線)の欠点を補正するために生まれたもので、より直近のデータに比重を置いた移動平均線になります。
SMAより反応が早くなるため、相場の転換ポイントをより早く見つけることができます。
MT4/MT5のMACDの表示画面
チャート画面の下に、サブウインドウとしてMACDの画面が表示されます。
MT4/MT5のMACD画面の見方
MT4標準搭載のMACDは、MACD(白のヒストグラム)とシグナル(赤のライン)の2つで構成されます。
そしてそのどちらも、計算式にEMA(指数平滑移動平均線)が用いられています。
MACDとシグナルの計算式(デフォルト設定の場合)
MACD:短期(12)日EMA-長期(26)日EMA
シグナル:MACDの(9)日のEMA
MACDの種類による表示の違いに気をつけよう
日本の一般的なMACDは、MACDをヒストグラムではなくラインで表示していて、MACDとシグナルの差をヒストグラムとして表示しています。MT4標準搭載のMACDとは表示が違うので注意が必要です。
MACD | シグナル | MACDとシグナルの差 | |
日本の一般的なMACD | ライン表示 | ライン表示 | ヒストグラム表示 |
MT4標準搭載のMACD | ヒストグラム表示 | ライン表示 | なし |
MT4/MT5のMACDの使い方
1. 「0ライン」を基準として上昇傾向なのか下降傾向なのかを読み取る
MACD(ヒストグラム)を利用して上昇トレンドと下降トレンドを視覚的にわかりやすく判断する事ができます。
MACDは「短期(12)日EMA-長期(26)日EMA」の値が0の時、ヒストグラムでは何も表示されてない部分「0ライン」になります。プラスなら上に棒グラフが伸び、マイナスなら下に棒グラフが伸びます。
トレンドのサインは以下のように読み取ることができます。
0ラインを基準にしてトレンドを読み取る
- ヒストグラムが0ラインを境にマイナスからプラスに転換した場合、上昇トレンドの突入を意味する
- ヒストグラムが0ラインを境にプラスからマイナスに転換した場合、下降トレンドの突入を意味する
2. MACDの傾きの変化からトレンドの強弱を読み取る
MACDの傾きの変化からトレンドの強弱を読み取ることができます。
上の画像(プラスの領域での変化)を参考に二つの例を挙げてみます。
まず最初に上昇トレンドでMACDが「上向き」で、その傾きが「強い」状態があります。
これは「短期(12)EMA-長期(26)EMA」の値が大きくなって、短期 (12)EMAが長期(26)EMAをどんどん引き離してるという事になり、上昇トレンドが「加速」しているといえます。
次に上昇トレンドでMACDが「下向き」で、その傾きが「強い」状態があります。
これは「短期(12)EMA-長期(26)EMA」の値が小さくなって、短期 (12)EMAが長期(26)EMAに迫ってきているという事になり、上昇トレンドが「失速」しているといえます。
下降トレンドの場合でも同じように傾きの変化からトレンドの強弱を読み取ることができます。
MACDがプラス領域の時の傾きの変化
- MACDが「上向き」なら、上昇トレンドの勢いが「加速」していて買いのサイン
- MACDが「下向き」なら、上昇トレンドの勢いが「失速」していて売りのサイン
MACDがマイナス領域の時の傾きの変化
- MACDが「下向き」なら、下降トレンドの勢いが「加速」していて売りのサイン
- MACDが「上向き」なら、下降トレンドの勢いが「失速」していて買いのサイン
また傾きが強ければ強いほどそのサインは強く出ていて、その精度も高くなります。
3. シグナルとMACDが交差する地点に売買ポイントがある
シグナルとMACDが交差する場所を見る事でゴールデンクロス(買いのシグナル)とデッドクロス(売りのシグナル)を判断する事ができます。これがMACDが利用される一番のポイントです。
- MACDがシグナルを「下から上」へ抜ける時、ゴールデンクロスとなり買いのシグナル
- MACDがシグナルを「上から下」へ抜ける時、デッドクロスとなり売りのシグナル
今回はMACDをヒストグラムで表していますので、抜けるという表現が若干わかりにくかもしれません。
下のように言いかえて覚えておくのもいいでしょう。
- シグナルラインより下にあったMACD(ヒストグラム)が上にきた時、ゴールデンクロスとなり買いのシグナル
- シグナルラインより上にあったMACD(ヒストグラム)が下にきた時、デッドクロスとなり売りのシグナル
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MACDのヒストグラムをラインに変更して2本線表示にする方法
ヒストグラムとラインの組み合わせがわかりにくいという方には、ヒストグラムをラインに変更する方法がおすすめです。
以下の記事で変更する手順を紹介しているので、参考にしてみて下さい。
MACDのメリットとデメリット
メリット
MACDのメリットとしては、まず非常にわかりやすい点が挙げられます。
0ラインを基準としてのトレンド判断や、シグナルとMACDが交差する場所での買いや売りのシグナルは、視覚的に非常にわかりやすく、初心者の方でもすぐに取り入れられる気軽さがあります。
またMACDは指数(平滑)移動平均線(EMA)利用しているので単純移動平均線(SMA)より、直近の値動きに対しては敏感に動いてくれます。これによりトレンドの転換をいち早く読み取ることができ、特にトレンド相場において真価を発揮するでしょう。
デメリット
デメリットとしては、レンジ相場で信頼性が低くなるという点です。だらだらとしている横ばいの相場ではダマしのシグナルが出てしまい扱いが難しくなります。
先程メリットの面でトレンド相場において真価を発揮すると述べました。しかしあまりにも急激なトレンドの場合は、どうしてもシグナルの発生自体が遅れてしまいます。
これに関しては移動平均線をベースにしている以上、ある程度仕方のない事です。
MACDは非常に多くのトレーダーに使われているテクニカル指標です。MACDのメリット、デメリットを把握して、FXトレードに活用してみてはいかがでしょうか。