MT4に標準搭載されているインジケーターは数多く存在します。
そのなかに比較的利用されているインジケーターの一つに移動平均線(Moving Average)というものがあります。
今回は移動平均線とは何なのか?表示方法、またその使い方や見方を解説していきます。
移動平均線とは?
移動平均線とは過去の一定期間の平均価格(終値の平均)を線で繋いだものです。
5日移動平均線ならば、過去5日間の終値の平均値を線で繋いで表したものです。
最もポピュラーなテクニカル分析の指標として多くのトレーダーに利用されています。
移動平均線(Moving Average)の表示方法
移動平均線のインジケーターはMT4に標準搭載されています。新しくダウンロードする必要はありません。
1. ナビゲーターウィンドウから「インディケーター」の「トレンド」の「Moving Average」をダブルクリックします。
2. 移動平均線の設定ウィンドウが開きますので期間を「25」にしてOKをクリックします。
移動平均線はこんな感じで表示されます。
また移動平均線は複数表示させることも可能です。複数表示させる場合は、再度同じ操作で移動平均線を挿入します。
移動平均線(Moving Average)の設定
期間
期間はローソク何本分の値を平均化させるかの数値を入力します。
あくまで(移動平均線の期間=ローソクの本数)で計算されるので、チャートの時間足によって平均値が変わってくるので注意が必要です
例 同じ25でも時間足が日足なら25日、1時間足なら25時間、月足なら25か月の平均値となります。
表示移動
入力した±の数値分移動平均線がずれます。
移動平均線の種別
- Simple(単純移動平均線SMA)
- Exponential(指数(平滑)移動平均線EMA)
- Smoothed(平滑移動平均線SMMA)
- Linear Weighted(線形加重移動平均線LWMA)
適用価格
- Close(終値)
- Open(始値)
- High(高値)
- Low(安値)
- Median Price(HL/2) (高値+安値)/2
- Typical Price(HLC/3) (高値+安値+終値)/3
- Weighted Close(HLCC/4) (高値+安値+終値+終値)/4
スタイル
線の色や種類、太さなどを設定できます。
移動平均線の期間について
期間については自分のトレードスタイルによっても変わってきます。
基本的には短期・中期・長期で設定を使い分けます。
また一つの移動平均線の表示だと自分の都合の良い解釈になりがちです。2本もしくは3本の違う種類の移動平均線から分析していくのが一般的です。
よく使われる移動平均線の期間数値
日足:「5」、「10」、「20」、「21」、「25」、「40」、「75」、「200」など
週足 「13」、「26」、「52」など
各期間の設定の組み合わせ目安
短期トレード派(日足)
(短5・中10・長25)(短5・中20・長40)
中期トレード派(日足)
(短5・中10・長期25)(短5・中20・長40) (短5・中25・長75) (短20・中40・長200) (短25・中75・長200)
長期トレード派(週足)
(短13・中26・長52)
一例として中期の移動平均線の組み合わせ例(5・25・75)を表示させてみます。
各移動平均線は自分のわかりやすい色で区別してみましょう。
移動平均線の削除・編集方法
移動平均線の削除・編集方法もいくつかあります。好みの方法で行ってください。
1.「分析ツールを削除」で削除する
削除したい移動平均線上で右クリックし「分析ツールを削除」をクリックすることで削除できます。
2.「インディケーターリスト」から削除・編集する
2-1 移動平均線上で右クリックし「インディケーターリスト」をクリックすることで削除できます。
2-2 表示中のインディケーターウィンドウが開きますので、削除・編集したい移動平均線(MovingAverage)をクリックで選択し、削除・編集をクリックします。
3.「チャート」タブから「表示中のインディケーターリスト」から削除・編集する
3-1 「チャート」タブの「表示中のインディケーターリスト」をクリックします。
3-2 表示中のインディケーターウィンドウが開きますので、削除・編集したい移動平均線(MovingAverage)をクリックで選択し、削除・編集をクリックします。
移動平均線の見方
移動平均線の基本は、まずロウソク足チャート合わせて全体を見るという事です。
そして価格が移動平均線より上回る場合は買いのシグナル、反対に移動平均線より下回る場合は売りのシグナルが出ているという事になります。
また異なる移動平均線を見比べることで、相場転換のシグナルを読み取ることができます。以下はその代表的なものです。
ゴールデンクロス
短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜ける現象をゴールデンクロスと呼び、上昇トレンドの傾向となります。交差の角度がきついほど強いサインになります。
デッドクロス
短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜ける現象をデッドクロスと呼び、下降トレンドの傾向となります。交差の角度がきついほど強いサインになります。
パーフェクトオーダー
短期、中期、長期の移動平均線が交わらず順番に並んでいる状態をパーフェクトオーダーと呼び、顕著にトレンドが発生している状態となります。
短期移動平均線>中期移動平均線>長期移動平均線なら上昇パーフェクトオーダー
長期移動平均線>中期移動平均線>短期移動平均線なら下降パーフェクトオーダー
となります。
気を付けたい「だまし」
ただこれらのトレンドのサイン通り必ずしも相場が動くとは限りません。
短い間隔ですぐにシグナルが変わってしまうことも少なくありません。こういったセオリーとは逆に相場が動く「だまし」がしばしば起こります。
一流のトレーダーでさえ「だまし」には引っ掛かります。テクニカル分析をする人ほど気を付けたいポイントです。
肝心なのはサインが出たからと言って慌ててエントリーしないことです。リスク回避を常に念頭に置きながら、少し慎重なくらいがちょうどいいでしょう。
まとめ
移動平均線はテクニカル分析の基本とも言えるものです。最初は表示させておいて、値動きとともに眺めてみるだけでも参考になると思います。
またトレーダー心理などもより深くわかって、面白くなってくるはずです。是非活用してみてください。