ストキャスティクス (Stochastic)は「確率に基づいたオシレーター」という意味で、「売られすぎ」や「買われすぎ」を判断するオシレーター系のテクニカル指標の一つです。
一定期間の高値と安値に対し、現在の価格がどのくらいの位置にあるのかを可視化します。
本記事では、ストキャスティクスの見方や使い方、注意点について紹介していきます。
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ストキャスティクスの表示方法
まずはストキャスティクスを表示させてみましょう。
1. ナビゲーターウィンドウの「オシレーター」→「Stochastic Oscillator」をダブルクリックします
2. ストキャスティクスの設定ウィンドウが開きます。今回はデフォルトのままで「OK」をクリックします。
チャート画面の下に、サブウインドウとしてストキャスティクスの画面が表示されます。
ストキャスティクスの表示例
ストキャスティクスはこのような感じでサブウィンドウに表示されます。
デフォルトの設定のままなら実線が「%K」、点線が「%D」で表示されています。今回は画像で見やすいようにどちらも実線で表示しています。
ストキャスティクスの設定
ストキャスティクスは、「%K」と 「%D」という2つの数値を使って分析します。
%Kと%Dは以下の計算式に基づいてグラフ化されています。
%Kと%Dの計算式
- %K=(現在値-〇日間の最安値)÷(〇日間の最高値-〇日間の最安値)
- %D=%Kの3日平均
パラメーターの設定画面で%Kと%Dの「期間」の数値を変えることも可能ですが、この期間は簡単に説明すると以下のようになります。
- %K期間:%Kの計算で何本のロウソク足を使うか
- %D期間:%Dの計算で何本のロウソク足を使うか
- スローイング:スロー%Dを計算するときに何本のロウソク足を使うか
このように考えると分かりやすいです。
それでもどう数値を変更すればいいのかとなると難しいと思います。しかしストキャスティクスを利用する上で、デフォルトの設定がおすすめなので、そこまで深く理解しなくても問題ありません。
おすすめ設定(デフォルト)
「%K期間:5 %D期間:3 スローイング:3」
また「色の設定」タブから2本のラインの色や線の形状を、「レベル表示」タブからは20と80のラインの色や形状も変更できます。見やすい色や太さに変更してもいいかもしれません。
ストキャスティクスの使い方
ストキャスティクスは「買われすぎ」や「売られすぎ」から、特にレンジ相場におけるエントリーポイントを判断するのに向いています。
ここではストキャスティクスの使い方について解説していきます。
1. 20と80のラインから「売られすぎ」「買われすぎ」を判断する
ストキャスティクスの活用方法の中で、もっとも簡単なのが%Kと%Dの2本のラインの位置から「売られすぎ」「買われすぎ」を判断する方法です。
ストキャスティクスには20と80のラインに点線が引かれていて、20を下回ったら売られすぎ、80を超えたら買われすぎの基準になります。
ラインから見る「売られすぎ」、「買われすぎ」
・二つのラインが80を上回ったら「買われすぎ」
・二つのラインが20を下回ったら「売られすぎ」
どちらも「売られすぎ」、「買われすぎ」リスクの高まりを示唆していますが、そのまま流れが継続する事もあり
すぐに逆張りするのは早計です。少し警戒するといった使い方が正しいでしょう。
2. ゴールデンクロスとデッドクロスでエントリーポイントを判断
エントリーポイントを詳しく分析する方法として、ゴールデンクロスやデッドクロスがあります。
ストキャスティクスの中でも特に利用される方法です。
ゴールデンクロスとデッドクロスから見る売買判断基準
- 20以下のエリアで%K線が%D線を上抜けた → ゴールデンクロスで買い
- 80以上のエリアで%K線が%D線を下抜けた → デッドクロスで売り
それではチャートを使って、具体的なゴールデンクロスとデッドクロスの場所を探してみましょう。
今回は水色の実線が「%K」、赤色の実線が「%D」で表示されています。
20以上のエリアのゴールデンクロスや、80以下のエリアのデッドクロスでもエントリーを見送ります。
3. ダイバージェンスでエントリーポイントを判断
ダイバージェンスとは
ダイバージェンスとは価格の動きとオシレーター系のテクニカル指標(RSI、ストキャスティクス)の動きが逆行する現象で、トレンドの反転のサインとなります。
ダイバージェンスから見る売買判断基準
- 価格が高値を更新→テクニカル指標(%K線、%D線)の値は切り下がっている(弱気のダイバージェンス)
- 価格が安値を更新→テクニカル指標(%K線、%D線)の値は切り上がっている(強気のダイバージェンス)
近々トレンドが反転する可能性が高いサイン!
チャートに明瞭なダイバージェンスが現れると、トレンドに沿って取引する事で利益が出しやすくなります。
ストキャスティクスの注意点
ストキャスティクスはレンジ相場において特に効果を発揮できます。反面、相場に明確なトレンドが発生している場合に、ダマシが非常に多くなります。これはオシレーター系のテクニカル指標共通の注意点でもあります。
上の画像では80以下でデッドクロスが発生しており、売りサインが見られます。しかし、その後のチャートの推移は価格が上がってダマシに遭っているのが分かります。
実際に分析をしていてもダマシに遭う頻度は多くあるので、ストキャスティクスをもとにエントリーする場合は、ダマシに遭ったケースも想定して損切りラインを決めておきましょう。
また、トレンド系のインジケーターを組み合わせてダマシを減らすのも方法の1つです。
ストキャスティクスと相性のいいインジケーター
ストキャスティクスによるダマシを防ぐためには、トレンド系のインジケーターを併用するのがおすすめです。
比較的簡単に分析できるトレンド系のインジケーターに「移動平均線」があります。
移動平均線で分かるのは大まかなトレンドですが、移動平均線が右下に進んでいるなら下降トレンド、移動平均線が右上に進んでいるなら上昇トレンドと見なせます。
上画像はストキャスティクスに移動平均線を加えたチャートですが、ストキャスティクスでは買いサインが出ていますが、移動平均線を見るとラインが右下に進んで下降トレンドの発生を示唆しています。
ストキャスティクスに移動平均線を組み合わせるだけでダマシに遭うリスクが減らせます。ただし、ダマシが発生しているわけでもないのに、移動平均線が逆のトレンドを示してエントリーポイントを逃すケースもあるので注意しましょう。
移動平均線はこちらの記事で詳しく解説しています。
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まとめ
ストキャスティクスを利用することで、レンジ相場におけるエントリーポイントを見つけることができます。MT4やMT5にも標準で搭載されていることや、分析も比較的簡単に行うことができることから積極的に活用したいインジケーターの1つです。
ダマシに遭うケースも多いので、移動平均線などトレンド系のインジケーターを組み合わせると良いでしょう。